ミステリーばかり読んでいると、時々食傷気味に…
そんなときに、ちょっと読後がいい感じの小説を。

 
「十八の夏」光原百合

4編の短編で構成されている連作。
日本推理作家協会賞を受賞したので読んでみた。
…けど、ミステリーというよりは、人間を描いた現実っぽいファンタジーといった印象かな。
「現実はそんなに甘くないよ」と思う人もいるかもしれないけど、救いがある。
初期の宮部みゆきに通じるところもあるけれど、
ところどころに「あ、これまさに今考えていたことだ」と思える文章にぶちあたって、
感性がより自分に近いと思えた。
なにげに心にしみる。



「魂萌え!」上・下 桐野夏生

魂萌え

60歳をを目前にした、どこにでもいる「普通の主婦」の心の葛藤を描いている。
グロテスクなミステリー作品が主流の桐野夏生の作品の中では、
異色の印象を受ける人も少なくないはず。
桐野ファンの中では賛否両論あるらしい。

けれど、決して遠い将来ではない年齢に達している女性にとっては、
身につまされる話なのでは。
特に成人した子どもに対する視線の描写は秀逸。
自分の母親と重ねて、なるほどと思う部分も多かった。

続編が読みたいところだ。

 
 
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